今回のテーマは、リース税制の改正です。
リース会計基準の改正に伴い、平成19年度の税制改正において、大幅な見直しがなされました。
具体的には、平成20年4月1日以後に契約するファイナンス・リース取引については、売買取引があったものとして処理することとなったのです。
つまり、「分割払いでリース会社から資産を購入する」処理を行うのです。
ファイナンス・リース取引とは以下の二つを満たす賃貸借取引をいいます。
①賃貸借期間の中途においてその解除をすることができない。
②賃借人が、賃貸借に係る資産からもたらされる経済的な利益を実質的に享受することができ、かつ、資産の使用に伴って生ずる費用を実質的に負担する。
特に②は「フルペイアウト」と呼ばれ、以下の基準により判定されます。
リース料総額 > 見積現金購入価額×90%
この基準を適用すると、賃貸借取引のうち、大半の取引が売買処理が必要なファイナンス・リース取引に該当してしまうことになります。
ただし、中小企業の場合、売買処理を行わなくても、法人税等の計算に影響はなく、実質的に賃貸借処理を継続することができます。
しかし、消費税の取扱いは別です。
従来は、リース料支払のつど、仮払消費税を認識する処理を行っていましたが、平成20年4月1日以後に契約するファイナンス・リース取引については、リース開始時に仮払消費税を一括して認識することが必要となります。
この取扱いには例外がなく、数年後に気づいたときには取り返しのつかないことになりますので、十分ご注意ください。
具体例(税抜経理)を挙げます。
・リース料総額6300万円
・一回のリース料105万円
<従来の処理>
・リース開始時
仕訳なし
・リース料支払時
(借方)リース料 100万円(貸方)現金預金 105万円
(借方)仮払消費税 5万円
<改正後の処理>
・リース開始時
(借方)仮払消費税 300万円(貸方)長期未払金 300万円
・リース料支払時
(借方)リース料 100万円(貸方)現金預金 105万円
(借方)長期未払金 5万円
信和綜合会計事務所(大阪の税理士法人)
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