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社債

先日、お客様から投資の相談を受けました。
取引銀行から、S社の社債を購入することを勧められたようです。
(S社の社名を明らかにすることは、諸般の事情により差し控えます。)

社債とは、企業が資金調達をするために発行する有価証券です。
社債は、投資家から直接的に資金調達をするという点では株式と共通しますが、一定期間経過後に償還(返済)されるという点で株式とは異なります。
また、金融機関からの借入金について金利が発生するのと同様に、投資家に対して金利が支払われます。

ところで、今回勧誘のあった社債は、金利がなんと約4.5%だそうです。
銀行預金の金利がほとんど無いに等しい水準であることを考えますと、この社債の金利は魅力的に見えてしまいます。
しかし大切なことを忘れてはいけません。
「社債の元本には保証が無い。」ということを。
つまり、社債の償還(返済)時期に、その会社に支払能力が無ければ、投資したお金が戻ってこないということです。

短期的には、私はS社が破綻する可能性は高くはないと思います。
しかし、このような高い金利を投資家に約束しなければならないということは尋常ではありません。
「その金利でも金融機関からの融資が受けられないのではないか?」
「調達した資金を過去の債務の返済に充当するのは自転車操業ではないのか?」
疑問は尽きません。

結局、お客様には次のようにアドバイスしました。
「金利はリスク(危険)の対価です。
その金利でリスクを冒してもよいのであれば、購入してください。
私なら購入しません。」と。


信和綜合会計事務所(大阪の税理士法人)
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