AIJ問題が発覚してから、企業年金について質問を受けることが何度かありました。
企業年金とは、企業が従業員のために外部の団体に掛金を積み立てておき、その団体が退職した従業員に年金を直接給付する仕組みです。
企業年金には、「確定給付型」と「確定拠出型(俗に日本版401k)」があります。
これら二つは確定しているものが違います。
確定給付型は将来従業員が受け取る「給付」が確定しているのに対し、確定拠出型は企業が掛金として支払う「拠出」が確定しているのです。
逆に、確定給付型は企業が掛金として支払う「拠出」が不確定であり、確定拠出型は将来従業員が受け取る「給付」が不確定ということになります。
年金の種類 従業員の年金受取額 会社の掛金支払額
確定給付型 確定 不確定
確定拠出型 不確定 確定
「確定給付型」の場合には、年金運用している資産の市場価値の変動や運用成績により掛金の金額が増減することになります。
証券市場が不安定な時期においては、一般的そのようなリスクは避けるべきですので、企業側としては「確定拠出型」のほうが圧倒的に魅力的です。
しかし、従業員側にとっては、将来受け取る年金が確定している「確定給付型」のほうが魅力的に思えるようです。
ただし、現在は終身雇用というものが事実上崩壊しているといっても過言ではなく、年金資産が個人別に区分され転職時に資産の移行が可能な「確定拠出型」にも一定の評価をすべきではないかと思います。
信和綜合会計事務所(大阪市中央区の税理士法人)
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