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特殊支配同族会社外しは可能か?

特殊支配同族会社に該当するか否かは、事業年度末の状況により判定されることになっています。
実際問題として、現状のままでは特殊支配同族会社に該当する見込みの会社について、役員基準・株式基準のいずれかを満たさないように操作することにより、増税対象から外すことは可能なのでしょうか?
1.役員基準
親族以外の役員の数だけを増やしたとしても、その役員が経営に常時参画しているという実態がなければ意味はありません。
すでに経営に参画していたが役員に就任していなかった人がいるなど、非常にレアな場合を除いて、役員基準による特殊支配同族会社外しは、ほぼ不可能だと思われます。
2.株式基準
業務主宰役員グループの持株比率を90%未満にするためには、形式的に外部に名義を借りるのではなく、実際に持株の第三者への移転(譲渡又は贈与)を行うか、第三者に増資を引受けてもらうことなどが必要だと考えられます。
①譲渡の場合
売却価額と取得価額との差額は譲渡所得となり、所得税が課税されます。
②贈与の場合
贈与した資産価額が110万円を超えると、贈与税が課税されます。
③増資の場合
税額は発生しませんが、譲渡の場合より大きな資金が必要となります。また、資本金等が増加することになるため、次年度以降において、法人地方税の均等割額などが増加します。
①②③のいずれの場合も、一株あたりの株価を考えなくてはなりませんし、株式を分散することのリスクも考えておかねばなりません。具体的には、会社が望まない者が将来的に株主になる可能性が生じてくるのです。会社が今後も成長していけば、将来的にそれらの者から、今回と同額で買い戻すことはできないものと考えておくべきです。
また、その人(又は法人)に、株主になってもらう合理的な理由が必要かと思います。例えば、業務提携を前提とした株式の譲渡などです。
単に、増税対象から外すためというのでは、完全に租税回避行為になってしまい、税務否認される危険性があるのです。
持株比率を変動させる場合には、慎重に行ってください。

大阪市中央区の信和綜合会計事務所
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