昨日はドラマ「半沢直樹」が放送されませんでした。
世界陸上の最終日だったため以前より放送休止が決まっていたようですが、楽しみにしていただけに残念です。
今までにも銀行を舞台にしたドラマはいくつかありましたが、今回のドラマの視聴率は絶好調のようです。
私も初回以外はすべて見ていますが、ドラマとしては最高の出来ではないかと思います。
ただ、実務家としては突っ込みどころが満載です。
特に気になる2点を挙げます。
・「出向」は必ずしも左遷ではない。
ドラマの中で、出向が完全にマイナスイメージの左遷として表現されていますが、そうでない出向もあります。
特に、若手に専門能力を身につけさせるために、外部の会社等に数年間出向させることはあるようです。
・融資金の回収不能は融資課長だけの責任とはならない。
融資判断は稟議決裁で行われており、融資課長の決裁で行われるものではないからです。
一定規模以上の企業で多く採用されている稟議制度は、会議の時間を省きつつ、多くの人が閲覧することにより、不正や誤った判断を防ぐことを目的とした社内決裁システムです。
しかし、弊害もあります。
稟議書にはその性質上、多くの閲覧者の押印があります。
それが責任の所在を曖昧にしているのです。
先日、上場会社の創業者の方とお話をする機会がありました。
その方が以下のように嘆いておられました。
起案者:「A課長に稟議書を提出しました。」
A課長:「B部長に報告をしました。」
B部長:「C取締役に判断を仰ぎました。」
C取締役:「D社長了承済みです。」
D社長:「取締役会で議論したことは覚えている。」
「○○の責任はいったい誰がとるんだ?」
「いつからこんな組織になってしまったんだ?」と。
ところで、回想シーンで主人公の父親役の鶴瓶師匠がいいことを言っていました。
「人と人との繋がりだけは大切にせなあかん。」
「ロボットみたいな仕事だけはしたらあかんぞ。」
肝に銘じます。
税理士法人信和綜合会計事務所(大阪市中央区)
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