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特定支出控除

平成25年分の所得税の申告より、給与所得者の必要経費ともいうべき「特定支出控除」が拡充されています。

特定支出控除とは、以下の特定支出の合計額が給与所得控除額の2分の1を超える場合(給与収入1500万円超については125万円を超えた場合)、所得税の申告により、その超える金額を給与所得控除後の所得金額から差し引くことができるという制度です。
http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1415.htm

特定支出とは以下の通りですが、給与の支払者の証明書が必要となります。
(国税庁サイトより抜粋)
(1)通勤費
一般の通勤者として通常必要であると認められる通勤のための支出
(2)転居費
転勤に伴う転居のために通常必要であると認められる支出
(3)研修費
職務に直接必要な技術や知識を得ることを目的として研修を受けるための支出
(4)資格取得費
職務に直接必要な資格を取得するための支出
(5)帰宅旅費
単身赴任などの場合で、その者の勤務地又は居所と自宅の間の旅行のために通常必要な支出
(6)勤務必要経費(①②③の合計で65万円が限度)
①図書費
書籍、定期刊行物その他の図書で職務に関連するものを購入するための費用
②衣服費
制服、事務服、作業服その他の勤務場所において着用することが必要とされる衣服を購入するための費用
③交際費等
交際費、接待費その他の費用で、給与等の支払者の得意先、仕入先その他職務上関係のある者に対する接待、供応、贈答その他これらに類する行為のための支出

特に、(6)②については、節税などを特集した無責任な雑誌などで大きく採り上げられています。
その多くで「スーツ代も必要経費で落とせる」というような表現がなされています。

確かに、スーツ着用が義務または慣例となっているような会社の場合、スーツの領収証と会社の証明書があれば「特定支出」とすることはできると思いますが、「必要経費で落とせる」という表現は正しくないように思います。
そもそも、(6)勤務必要経費は65万円が上限となっているのに加えて、特定支出の合計額が給与所得控除額の2分の1を超えない場合は「特定支出控除」はないのです。

大騒ぎしているようですが、「特定支出控除」が適用できる人は意外に少ないのかもしれません。

税理士法人信和綜合会計事務所(大阪市中央区)
http://www.shinwa-ac.net/