先月、国税庁より、以下の質疑応答事例が公表されました。
・役員給与
http://www.nta.go.jp/category/tutatu/sonota/houzin/5394/02.pdf
・特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入制度
http://www.nta.go.jp/category/tutatu/sonota/houzin/5394/01.pdf
上記はいずれもQ&A方式で、国税庁に寄せられた質問に対する回答という形になっています。
実務上、この公表物は大いに参考になるといわれていますが、私はそのようには思いませんでした。
というのは、記載内容の大半が、「当然そう考えるべき」常識的な内容だと思われたからです。
ただ、一点だけ、個人的に参考になったことがあります。
特殊支配同族会社に該当するかどうかを株式基準(議決権基準)により判定するあたって、業務主宰役員等と同一内容の議決権を行使することに同意している者とはどんな人かという問題です。
ポイントは2点です
①同一内容の議決権を行使することに、契約・合意があること。
②出資、雇用関係、取引関係など緊密な関係があるという状況証拠だけでは該当しない。
したがって、従業員や顧問税理士などが株式を取得したからといって、上記の契約や合意がなければ、直ちに「同一内容の議決権を行使することに同意している者」に該当するわけではないということができます。
この点、過度に税務当局寄りの見解を示していた「某団体」、「某税務情報誌」などは猛省しなければならないと思います。
大阪市中央区の信和綜合会計事務所
http://www.shinwa-ac.net/