8月からは、大きな税制改正のあった役員給与について説明します。
個別の論点は次回以降に譲ることにし、今回は改正のポイントのみ列挙します。
なお、以下の改正は平成18年4月1日以後に開始する事業年度からの適用となります。
1.役員給与の概念
従来の役員報酬、役員賞与、役員退職給与等という区分がなくなり、「役員給与」という概念で統合されました。
2.損金算入される役員給与
下記の役員給与以外は、損金不算入となります。
①定期同額給与
②事前確定届出給与
③利益連動給与(実質的に有価証券報告書提出会社に限定)
④使用人兼務役員の使用人分賞与
3.実質的「一人会社」に対する増税
特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入制度が新設されました。
一言で言いますと、オーナーの給与所得控除額が損金算入されなくなるということです。
この制度に関しては、私自身、憤りを感じております。
場合によっては、赤字決算でも法人税額が発生することになり、著しく中小企業の競争力を低下させることになります。
国の税収不足も理解できますが、比較的小規模のオーナー企業に絞って増税すべきではなく、給与所得控除そのものを一定割合削減するなど、広く浅く税収を確保すべきです。
おそらく政府は、今後の国政選挙をにらみ、国民の大多数を占める給与所得者を敵に回したくないのでしょう。
ただ、この制度にはいくつかの除外規定があり、次回以降で詳細に説明いたします。
大阪市中央区の信和綜合会計事務所
http://www.shinwa-ac.net/