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前回までに説明してきましたが、合理的に持株比率を変動させることができれば、特殊支配同族会社から外すことは不可能ではありません。
その結果、当然のことですが、持分変動により外部株主が入ってくることになります。
しばらくの間、その外部株主が健在で会社との関係が良好な間は問題がないかもしれません。
しかし、外部株主が自然人の場合は寿命があるため、相続により株主が代わる事がありますし、法人の場合でも、代表取締役の交替により会社との関係が変化する場合があります。
また、外部株主が破産した場合には、その所有する株式も競売にかけられることになり、会社の望まない第三者が株主となる可能性があるのです。
株式に譲渡制限が付されている場合でも、買い取る場合は、その時点における財務内容等を反映した価額(時価)で行うことになりますので、必要資金も場合によっては巨額になるでしょう。
特に、経営者の親族間で株式の分散が進んでいるような会社の場合が問題となります。
持株比率の状況次第ですが、親族間でトラブルがあったときには、その外部株主がキャスティングボードを握り、経営権が揺らぐことも十分に考えられます。
税金対策ができたとしても、経営権が揺らいでしまっては、本末転倒です。
そういう意味で、「慎重に」と前回のコラムに書いたのです。
私の本音を言いますと、特殊支配同族会社の増税規定は愚かな法律だと思っています。
国会議員の皆さんが、議員立法で、この規定の適用を停止してくれることを願っています。

大阪市中央区の信和綜合会計事務所
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