前回までに説明しましたが、平成19年4月1日以降に取得した減価償却資産については、改正後の償却方法により、残存簿価1円まで償却することが可能となりました。
これに対し、平成19年3月31日までに取得した減価償却資産は、改正前の償却方法により、取得価額の95%相当額に到達するまで償却を行うことになります。
その後、取得価額の95%相当額まで到達した減価償却資産については、到達した事業年度の翌事業年度から、5年間(60ヶ月)で均等償却することとされました。
ポイントは、前期末の時点で95%相当額に到達している資産でなければ適用できないという点です。
簡単な説例です。
--取得価額100万円、耐用年数5年の機械を定額法で償却--
1年目の減価償却費 18万円
2年目の減価償却費 18万円
3年目の減価償却費 18万円
4年目の減価償却費 18万円
5年目の減価償却費 18万円(この時点で残存価額10万円)
6年目の減価償却費 5万円(この時点で償却可能限度額5万円)
7年目の減価償却費 1万円
8年目の減価償却費 1万円
9年目の減価償却費 1万円
10年目の減価償却費 1万円
11年目の減価償却費 9,999円(残存簿価1円)
なお、この制度は、平成19年4月1日以後に開始する事業年度から適用されます。
<追記>
法人税法施行令を忠実に読みますと、7年目以降の減価償却費は
7年目の減価償却費 9,999円
8年目の減価償却費 9,999円
9年目の減価償却費 9,999円
10年目の減価償却費 9,999円
11年目の減価償却費 9,999円
12年目の減価償却費 4円(残存簿価1円)
となりますが、マニアックになりますので説明は省略します。
大阪市中央区の信和綜合会計事務所
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