会社計算規則の改正により、平成21年4月1日より、利益の資本組入が可能となりました。
そもそも、利益の資本組入は旧商法では可能だったのですが、平成18年5月1日の会社法の施行時より禁止されていました。
企業会計では資本と利益の明確な区分が要求されているのですが、会社法もそのスタンスを尊重したと言われています。
つまり、会社法施行から平成21年3月31日までは、増資(資本金の増加)は以下の方法に限られていました。
・金銭による出資
・金銭以外の資産による出資(現物出資)
・資本準備金の資本組入
・その他の資本剰余金の資本組入
そのため、どうしても利益を財源に増資をしたい場合は、いったん株主に配当を行ったうえで、株主にその資金で出資してもらうという、まわりくどい手続をとらざるを得なかったのです。
また、配当を行う際には配当所得として20%の源泉徴収が必要でしたので、財源とする利益が全額資本に組入れられないという弊害もあったのです。
今回の改正により、増資は上記に加えて、以下の方法も可能となりました。
・利益準備金の資本組入
・任意積立金や繰越利益剰余金などの資本組入
なお、利益の資本組入を行った場合でも、税務上は「利益」のままという取扱いになりますので、株主に対する「みなし配当課税」は発生しません。
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