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申告期限の延長

2月も最後の日になりました。
弊事務所でも確定申告業務に追われています。

ご承知の通り、一部地域でコロナ禍による緊急事態宣言下にあることもあり、昨年に引き続いて、個人の所得税・贈与税・消費税の申告が4月15日まで延長されています。

この延長については総じて歓迎されています。
コロナ禍で納税者が税理士等との面談や打ち合わせが困難になることを想定した措置だからです。
お客様の中にも緊急事態宣言中は絶対に外出をしないと決められている厳格な方もおられますので、助かっています。

ただ、会計事務所としては実は良いことばかりではありません。
・1ヶ月申告期限が延長されたことでお客様に心の余裕が生じ、なかなか資料を提出していただけない。
・確定申告業務が3月末から4月の上旬までずれ込んでしまうと、その時期にやるべき仕事ができなくなる。

変異株の動向等、今後何が起きるか予測しにくい状況ですので、私としては早く確定申告業務にめどを付けたいのですが。。。
しばらくはモヤモヤした時期が続きそうです。

令和3年2月
原昇平

確定申告

2月も最終日となりました。
重度の花粉症の私にとっては辛い季節になりました。

事務所では日々の業務に加えて、所得税の確定申告業務に毎日追われています。
いつもより少ないスタッフで業務を行っていることもあり、私も約20年ぶりに、医療費控除の領収証の集計から源泉徴収票の整理、申告ソフトの入力にいたるまでの作業をしています。

このような状況になってしまったのは、12月末に一名が産休に入り、その代わりに採用した一名が1月末に退職したことが原因です。
退職した人には責任はありません。
配慮が足りずその人を育成できなかった自分に最も責任を感じています。

遅ればせながら、スタッフに永く働いてもらえることがどれだけありがたいのかを実感することになりました。
この教訓は必ず活かしてみせます。


平成31年2月
原昇平

ふるさと納税の功罪

平成30年も終盤となり、ふるさと納税を駆け込みで考えておられる方も多いかと思います。

ふるさと納税制度は地域振興を目的として、納税者の実質的な負担をほとんどなくして、応援したい自治体に寄付ができるという制度です。
しかし、返礼品が実質タダで貰えるということばかりが注目され、ふるさと納税専門のサイトもたくさん存在しています。

その結果、自治体間では税収の分捕り合戦が行われてきました。
中には、寄付金額に対して5割を超える返礼品を売り物にしたり、その地方の特産品でもないものを返礼品としたりと、やりたい放題の状況でした。

先日、総務省はふるさと納税の趣旨から逸脱した自治体に自制を促すため、以下の基準を通知しました。
・返礼品は寄付金額の3割までとする。
・返礼品は地場産品に限る。
この基準に適合しない場合は、ふるさと納税の対象から除外することも検討する。

これに対し、大阪府のある自治体は記者会見まで開き、反論しています。
・国が勝手に方針を決めてよいのか!←国が決めた制度です。
・地場産品がないところはどうするの?←本当にありませんか?
・税収が減るじゃないか!←税収を分捕るための制度ではない。
残念ながら、その自治体の言い分には全く共感できる部分はなかったです。

ふるさと納税には賛否両論があります。
単純に高いものより、大量生産された安い製品や外国産の安い食品のほうが消費者には選択されやすいのは当然のことです。
しかし、ふるさと納税により、人知れず愚直に品質にこだわってきた生産者や彼らが作る良いものにスポットライトが当たることには大きな意味があると私は考えます。
良いものには、それを実際に経験してもらわないと伝わらない部分があるのです。

悪い点は修正しながら、今後も国が費用の一部を負担する実質的な「公共事業」として続けてもらいたいものです。

平成30年11月
原昇平

通勤費の非課税限度額

通勤手当といえば、所得税がかからないものと思い込みがちですが、実は一定金額(非課税限度額)を超えると「給与所得」として所得税が課されることになっています。
↓詳細は以下の国税庁サイトをご覧ください。↓
http://www.nta.go.jp/gensen/tsukin/index.htm

この非課税限度額に関する政令が平成26年10月20日に改正され、通勤手当の非課税限度額が引き上げられました。
対象となる通勤手当は、自動車や自転車などの交通用具を使用して通勤する人に支給する通勤手当で、平成26年4月以後支払われるべきものです。

従って、以下の通勤手当については、改正後の非課税規定は適用されず、改正前の非課税規定が適用されることになります。
①平成26年3月31日以前に支払われた通勤手当
②平成26年3月31日以前に支払われるべき通勤手当で4月1日以後に支払われるもの
③①または②の通勤手当の差額として追加支給されるもの

今回の改正は中途半端な時期に施行されましたので、適用時期はいつからなのか?4月以降に徴収しすぎた源泉所得税はどうすればよいか?など混乱が生じています。
しかし、難しく考える必要はありません。
4月以降に給与所得として源泉徴収しすぎた金額があれば、年末調整で精算すればよいだけの話です。
なお、年末に在籍していない人は確定申告で精算することになるようです。


http://www.shinwa-ac.net/
http://shinwa-souzoku.net/

期限日

本日3月17日が、平成25年分の所得税の確定申告の期限となっています。
また、振替納税を利用されている方を除いて、納付期限も本日です。
(ちなみに贈与税の申告・納付期限も本日です。)

弊事務所でも、先週末まで確定申告業務に追われる毎日でしたが、ようやく一息ついたところです。
ただ、今月下旬から来月初旬にかけて、やらなければならないイベントがあり、個人的には落ち着かない日々を送っています。

確定申告業務については業務が集中しますので、計画的に準備をしているつもりなのですが、なかなか予定通りには行かず、終わってみれば結局ギリギリまでかかってしまいました。
スタッフにも残業や毎週休日出勤をしてもらったりと負担をかけてしまいました。
何とかもう少し工夫して業務ができないものかと、毎年同じようなことを考えているような気がします。

来年こそは!と思う反面、どうしようもない要因もあり、来年も同じようなことを言っているような気がします。
・お客様の都合により資料や書類が集まらない。
・1月2月は年始を含め、平日が少ない。
・12月決算法人が多いため、1月中は身動きが取れない。
残念ながら、すべて「言い訳」です。


税理士法人信和綜合会計事務所(大阪市中央区)
http://www.shinwa-ac.net/

特定支出控除

平成25年分の所得税の申告より、給与所得者の必要経費ともいうべき「特定支出控除」が拡充されています。

特定支出控除とは、以下の特定支出の合計額が給与所得控除額の2分の1を超える場合(給与収入1500万円超については125万円を超えた場合)、所得税の申告により、その超える金額を給与所得控除後の所得金額から差し引くことができるという制度です。
http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1415.htm

特定支出とは以下の通りですが、給与の支払者の証明書が必要となります。
(国税庁サイトより抜粋)
(1)通勤費
一般の通勤者として通常必要であると認められる通勤のための支出
(2)転居費
転勤に伴う転居のために通常必要であると認められる支出
(3)研修費
職務に直接必要な技術や知識を得ることを目的として研修を受けるための支出
(4)資格取得費
職務に直接必要な資格を取得するための支出
(5)帰宅旅費
単身赴任などの場合で、その者の勤務地又は居所と自宅の間の旅行のために通常必要な支出
(6)勤務必要経費(①②③の合計で65万円が限度)
①図書費
書籍、定期刊行物その他の図書で職務に関連するものを購入するための費用
②衣服費
制服、事務服、作業服その他の勤務場所において着用することが必要とされる衣服を購入するための費用
③交際費等
交際費、接待費その他の費用で、給与等の支払者の得意先、仕入先その他職務上関係のある者に対する接待、供応、贈答その他これらに類する行為のための支出

特に、(6)②については、節税などを特集した無責任な雑誌などで大きく採り上げられています。
その多くで「スーツ代も必要経費で落とせる」というような表現がなされています。

確かに、スーツ着用が義務または慣例となっているような会社の場合、スーツの領収証と会社の証明書があれば「特定支出」とすることはできると思いますが、「必要経費で落とせる」という表現は正しくないように思います。
そもそも、(6)勤務必要経費は65万円が上限となっているのに加えて、特定支出の合計額が給与所得控除額の2分の1を超えない場合は「特定支出控除」はないのです。

大騒ぎしているようですが、「特定支出控除」が適用できる人は意外に少ないのかもしれません。

税理士法人信和綜合会計事務所(大阪市中央区)
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有給の買取り

従業員の方が退職されるときに、経営者から次のような質問を受けることがあります。
「有給休暇を買い取ってあげてもいいかな?」と

会社が有給休暇を買取ることは原則として禁止されています。
しかし、例外として、退職によって利用できなかった有給休暇を買取ることは認められているようです。
従って、上記の質問の答えは「買取りは可能です。」ということになります。

それでは、その買取り代金にはどのような課税がなされるのでしょうか?
・給与所得?
・退職所得?
・一時所得?

まず、有給休暇はその期間働いたものとして対価が支払われるものですので、労働の対価に該当します。
そうすると、「給与所得」か「退職所得」に絞られます。
次に、所得税基本通達30-1では「退職手当等とは、本来退職しなかったとしたならば支払われなかったもので、退職したことに基因して一時に支払われることとなった給与をいう。」との記載がありますので、退職しなければ支払われなかった「有給買取り代金」は「退職所得」に該当することになります。

従って、退職金と合わせて源泉徴収の処理が必要となります。
なお、解雇予告手当も「退職所得」に該当しますのでご注意ください。(所得税基本通達30-5)


税理士法人信和綜合会計事務所(大阪市中央区)
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NISA

平成26年1月より、少額投資非課税制度(NISA)が始まります。
証券会社に口座をお持ちの方には、証券会社より同制度への勧誘の書類が届き始めているかと思います。

NISAについては、すでに証券会社や証券業協会のサイトで多くの情報がありますので、制度の詳細については省略しますが、平成26年から平成35年までの10年間、毎年100万円までの新規投資から得られる譲渡益や配当を、投資の年から最長5年間非課税にできるという制度です。

この制度は、イギリスのISA(Individual Savings Account)を参考にして、「貯蓄から投資へ」の流れを促進するために創設されたといわれています。
しかし、私はそうは思いません。
証券優遇税制(一律10%課税)の終了により、平成26年より本則課税(一律20%課税)になるのですが、NISAはそれに対する「お詫び」のような制度であり、財務省が考えそうなケチな制度です。
わずか年間100万円で素人にどうしろというのでしょうか?

その他にも、NISAには以下のデメリットがあります。
・NISA口座の損失は特定口座や一般口座の利益と損益通算できない。
・NISA口座の損失は翌年以降に繰越控除ができない。

極めてケチな制度ではありますが、投資の年から5年間の非課税期間に売却すれば税金はかかりませんので、100万円以内で「これだ!」という銘柄があれば利用してもよいのではないでしょうか?


税理士法人信和綜合会計事務所
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源泉納付書(Ⅱ)

先週のコラムで、源泉所得税の納付書について採り上げました。
信和綜合会計事務所でも先月下旬より源泉納付書の作成を始めていますが、一部のお客様に少し困ったことが生じていることに気づきました。

困ったことというのは、「復興特別所得税」の源泉徴収事務です。
御承知の通り、復興特別所得税は平成25年1月から課されているのですが、それが徴収されていないケースがあるのです。

といっても、毎月の給料や毎月発生する税理士報酬などは正しく徴収されています。
正しく徴収されていないのは、臨時的に発生する司法書士報酬等に課される復興特別所得税が多いように思います。

報酬等を支払う事業者には源泉徴収義務がありますので、実際に正しい源泉徴収税額を徴収できていない場合であっても、正しい税額を納付しなければなりません。
徴収不足に気づいた場合は、先方に不足額を返金してもらうことが原則ですが、金額的に多額ではない場合には、実務上は徴収コストを考慮して、事業者が不足税額を負担することもやむを得ないのではないかと思います。


税理士法人信和綜合会計事務所
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源泉所得税の納付書

源泉所得税の納期の特例の適用を受けている事業者の場合、上半期(1月から6月まで)の源泉所得税の納期が7/10と迫っていることもあり、毎年6月下旬になると、お客様の源泉所得税の納付書をチェックする機会が多くなっています。

源泉所得税の納期の特例についてはこちら↓
http://www.shinwa-ac.net/cgi/blog/archives/106.html

私どもがチェックする内容は概ね以下の通りです。
①源泉所得税の金額は正しく計算されているか?
②賞与や退職金の源泉所得税も集計されているか?
③支給人員数はその期間の延べ人数で記載されているか?
④税理士や司法書士などの個人士業に対する源泉所得税は集計されているか?
⑤支給金額や源泉徴収税額(預り金)については会計帳簿と整合しているか?

その中でも、私は⑤を重視しています。
集計したつもりが正しく集計できていないということは比較的よくあることです。
給与台帳や請求書を確認するだけでなく、会計帳簿に計上されている金額を確認することにより、単純な集計もれのリスクを下げることができると思います。

特に、司法書士や弁理士の報酬に課される源泉所得税については注意する必要があります。
日々支払いがあるものについては忘れることは少ないと思いますが、毎月支払いがないものや一回きりの取引についてはどうしても忘れがちになります。

源泉所得税は納期限から1日遅れただけで、原則として加算税がかかることになっていますので、十分注意して納付書を作成することが重要です。


税理士法人信和綜合会計事務所
http://www.shinwa-ac.net/

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