記事一覧

遺言執行者

先日、遺言執行者としての業務を行ってきました。

遺言執行者とは、文字通り、遺言を執行することを遺言書で指定された者です。
恥ずかしながら最近までよく知りませんでしたが、遺言執行者に弁護士資格など特別な要件はなく、誰でも指定できるようです。
ただ、一般的には相続人の一人が指定されているケースが多いようです。

今回は、私の祖母の遺言で私が指定されていたのですが、初めての経験でした。
それ故、あまり気が進まなかったのですが、手続自体は金融機関に指定されたものを準備するだけでしたので、それほど難しくはありませんでした。

しかし、一つ困ったことがありました。
遺産がいったん私名義の預金口座に入金されるというのです。
仕方なく、その金融機関で新たに口座を設けて入金を受け、遺言書に記載された金額を各相続人に振り込みました。

仕事柄、人のお金自体を預かることには慣れていませんので、気を遣います。
やはり、こういう業務を第三者に依頼する場合には、弁護士が最も相応しいと改めて感じました。


信和綜合会計事務所(大阪市中央区の税理士法人)
http://www.shinwa-ac.net/
税理士をお探しの方がいらっしゃいましたら、信和綜合会計事務所に是非ご紹介ください。

調整率表

国税庁は東日本大震災の被災者の負担軽減を図るため、11月1日に「調整率表」を公表しました。
↓前回の路線価に関する記事はこちら↓
http://www.shinwa-ac.net/cgi/blog/archives/282.html
この「調整率」とは、被災地に所在する土地等を贈与や相続で取得した場合に、その評価の基本となる路線価及び評価倍率に乗じる割合です。

<対象となる相続・贈与>
・平成22年5月11日~平成23年12月31日の相続
・平成22年1月1日~平成23年12月31日の贈与

<対象となる地域>
・青森県の全域
・岩手県の全域
・宮城県の全域
・福島県の全域
・茨城県の全域
・栃木県の全域
・千葉県の全域
・埼玉県加須市(旧北川辺町及び旧大利根町)、久喜市
・新潟県十日町市、中魚沼郡津南町
・長野県下水内郡栄村
なお、原子力発電所の事故に関する「警戒区域」「計画的避難区域」「緊急時避難準備区域」内にある土地等はゼロで評価します。

<留意事項>
・震災日以前の相続や贈与にも適用されます。
・平成22年中の相続や贈与であっても、平成23年分の路線価及び評価倍率に「調整率」を乗じて評価額を計算します。

↓「調整率表」はこちら↓
http://www.rosenka.nta.go.jp/chousei/ipan_frm.htm


信和綜合会計事務所(大阪市中央区の税理士法人)
http://www.shinwa-ac.net/
税理士をお探しの方がいらっしゃいましたら、信和綜合会計事務所に是非ご紹介ください。

死亡退職金

役員や従業員が在職中に死亡し、遺族に死亡退職金を支払うことがあります。
このような場合、遺族が受け取る退職金にはどのような税金が課税されるのでしょうか?

(所得税)
遺族が受け取る退職金は死亡した人の退職所得とはなりませんので、所得税は課税されません。
ただし、死亡後3年を経過してから支給が確定したものについては、遺族の一時所得として所得税が課税されます。

(相続税)
遺族が受け取る退職金はみなし相続財産として相続税が課税されます。
ただし、死亡後3年を経過してから支給が確定したものについては、上記のとおり遺族の一時所得として所得税が課税されますので、相続税の課税対象から除外されます。
なお、みなし相続財産として相続税が課税される死亡退職金については、受取人ごとの支給金額が100万円を超える場合には、「退職手当等受給者別支払調書」を提出しなければなりません。

(法人税)
役員に対して支給した死亡退職金のうち、不相当に高額な部分の金額は、法人の所得の計算において損金の額に算入されないため、法人税が課税されます。


信和綜合会計事務所(大阪市中央区の税理士法人)
http://www.shinwa-ac.net/
税理士をお探しの方がいらっしゃいましたら、信和綜合会計事務所に是非ご紹介ください。

平成23年分の路線価の公表

7月1日に平成23年分の路線価が公表されました。
http://www.rosenka.nta.go.jp/

(過去の路線価に関する記事)↓
http://www.shinwa-ac.net/cgi/blog/archives/75.html
http://www.shinwa-ac.net/cgi/blog/archives/125.html
http://www.shinwa-ac.net/cgi/blog/archives/178.html
http://www.shinwa-ac.net/cgi/blog/archives/230.html

路線価の増減率の平均は前年と比べて3.1%減のようです。
なかなか下げ止まっているとは言いにくい状態ですが、前年より下げ幅は減少しているようです。

ところで、今回の公表時には「調整率」の適用についての方針も発表されています。
http://www.rosenka.nta.go.jp/docs/sozou_01.pdf

この「調整率」とは、東日本大震災の被災者の負担軽減のために設けられたものであり、路線価などに乗じる割合です。
対象となる地域は、青森県、岩手県、宮城県、福島県、茨城県、栃木県、千葉県の全域、並びに、新潟県十日町市、新潟県中魚沼郡津南町及び長野県下水内郡栄村であり、平成22年5月11日以降の相続や平成22年1月1日以降の贈与によって取得した土地の評価の際に使用することができるようです。

大震災の日以前の相続や贈与の場合にも使用できるのがポイントです。


信和綜合会計事務所(大阪市中央区の税理士法人)
http://www.shinwa-ac.net/
税理士をお探しの方がいらっしゃいましたら、信和綜合会計事務所に是非ご紹介ください。

相続税の増税

相続税が増税となる可能性が高くなりました。
政府税制調査会は、平成23年度の税制改正で、以下の二点を改正するつもりのようです。

①累進課税の税率を現在の6段階から8段階に増やし、最高税率を50%から55%とする。
②基礎控除を現行の6割の水準とする。

仮に、改正された場合、特に②については納税義務者数に大きな影響があります。
現行の相続税法では、妻と子2人の家族構成の場合、法定相続人が3人ですので、遺産の総額が以下の金額までであれば相続税の申告・納税義務はありません。
5000万円+1000万円×3人(法定相続人の数)=8000万円
しかし、改正後は、遺産の総額が上記金額の6割を超えた場合は、相続税の申告・納税義務が発生することになるのです。
3000万円+600万円×3人(法定相続人の数)=4800万円

最近の統計では、相続税が課税される家庭は、亡くなった人の家庭の4%といわれていますが、政府は6%程度まで拡大したいようです。
相続税が縮小・廃止されている世界の流れとは完全に逆行することになりますが、国の破綻寸前の財政状況を鑑みると、やむを得ないのかもしれません。
個人的にはとても残念ですが。。。

改正が決定された場合、すでに相続対策を実行している方も根本から対策を考え直すことが必要になると思います。


信和綜合会計事務所(大阪市中央区の税理士法人)
http://www.shinwa-ac.net/
税理士をお探しの方がいらっしゃいましたら、信和綜合会計事務所に是非ご紹介ください。

住宅資金贈与の時期

以前のコラムでも書きましたが、平成22年の税制改正により、両親や祖父母からの住宅資金贈与については大きな非課税限度枠が設けられています。

↓以前の記事↓
http://www.shinwa-ac.net/cgi/blog/archives/206.html

特に、平成22年中の贈与に関しては、1500万円の非課税枠が設けられています。
(暦年贈与の非課税枠をあわせると1610万円までが非課税となります。)
平成23年中の贈与の場合は非課税枠が1000万円、それ以降の場合は非課税枠が500万円となりますので、住宅資金の贈与を予定されている方には平成22年中の贈与がお勧めです。

年末までの時間も残り少なくなってきましたので、平成22年中の贈与は無理かなと思われている方も多いかもしれませんが、その心配はありません。
平成22年12月31日までに「資金の贈与」・「住宅等の購入」・「居住」のすべてが完了していなくてもよいのです。
平成22年12月31日までに完了させる必要のあるのは「資金の贈与」だけです。
「住宅等の購入」・「居住」は贈与税の申告期限である平成23年3月15日までに完了させればよいのです。

なお、同制度の適用要件については国税庁のサイトを参考にしてください。
↓国税庁サイト↓
http://www.nta.go.jp/taxanswer/sozoku/4508.htm


信和綜合会計事務所(大阪市中央区の税理士法人)
http://www.shinwa-ac.net/
税理士をお探しの方がいらっしゃいましたら、信和綜合会計事務所に是非ご紹介ください。

残念な相続

夏頃から、複数の相続案件に関わっています。
その内の数件は相続がすでに発生している案件です。

私はこのような案件に関わるときにいつも残念に感じることがあります。
「生前に相談してもらえばよかったのに。」

相続発生後では、ほとんど何も対策ができず不利な扱いを受けるからです。
具体的には、相続発生後では以下を十分に対策できないのです
・相続税額の節税
・納税資金の準備
・最適な遺産分割

一定額以上の財産をお持ちの方は、元気なうちに自分が亡くなる準備をしておいたほうがよいと思います。
大袈裟かもしれませんが、それも家族への愛ではないでしょうか?

なお、弊事務所では相続財産の無料診断(現状での相続税額の試算)を行っております。
http://www.shinwa-ac.net/muryo/sozoku.html
ご希望の方はお気軽にご連絡ください!


信和綜合会計事務所(大阪市中央区の税理士法人)
http://www.shinwa-ac.net/
税理士をお探しの方がいらっしゃいましたら、信和綜合会計事務所に是非ご紹介ください。

現地視察

先日、伊勢(三重県)に行ってきました。

残念ながら、観光ではありません。
お客様の相続税申告の対象となる土地が三重県津市にあり、その現地視察のために訪問したのです。

私は相続財産に土地が含まれている場合は、どんなに遠くに所在する物件でも必ず現地を見ることにしています。
それは現地を見なければ分からないことや現地を見てはじめて気付くことがあるからです。
特に、多数の不動産を所有されている資産家の場合、どこに所在するのかさえ知らない物件がよくあります。
実際に現地視察をすると、急な斜面の土地だったり、登記上の面積と実際の面積が大幅に違ったりすることがあり、そのような場合、相続税の対象となる金額が大きく変動することになるのです。

当日は朝7時過ぎの近鉄特急で伊勢に向かいました。
①津地方法務局
津新町で下車し、徒歩10分ほどで到着。
公図と測量図を入手し、念のためブルーマップで現地の位置を再確認。

②津市役所
法務局の隣でした。
資産税課、都市計画課、建築指導課を順番に訪問しました。
職員の方にはとても親切な対応をしていただきました。

③現地
近鉄で伊勢石橋駅に移動。
なんと無人駅でした。覚悟はしていましたが、タクシーも不在。
仕方なく1時間10分の徒歩。いい運動になりました。

後から気付いたのですが、現地にはバスが津市から出ていたようです。
YAHOOさん、
インターネットの路線検索はバスにも対応してください!


信和綜合会計事務所(大阪市中央区の税理士法人)
http://www.shinwa-ac.net/
税理士をお探しの方がいらっしゃいましたら、信和綜合会計事務所に是非ご紹介ください。

平成22年分の路線価の公表

7月1日に平成22年分の路線価が公表されました。
http://www.rosenka.nta.go.jp/

(過去の路線価に関する記事)↓
http://www.shinwa-ac.net/cgi/blog/archives/75.html
http://www.shinwa-ac.net/cgi/blog/archives/125.html
http://www.shinwa-ac.net/cgi/blog/archives/178.html

予想通りではありますが、全国平均では平成21年分と比べて8.0%も下落したようです。
特に、大都市部での下落幅が大きく、全国平均を押し下げる要因となっています。

参考までに、過去3年分の大都市圏での変動をまとめてみました。
(平成22年分)
東京圏:平成21年分より9.7%下落
大阪圏:平成21年分より8.3%下落
名古屋圏:平成21年分より7.6%下落
(平成21年分)
東京圏:平成20年分より6.5%下落
大阪圏:平成20年分より3.4%下落
名古屋圏:平成20年分より6.3%下落
(平成20年分)
東京圏:平成19年分より14.7%上昇
大阪圏:平成19年分より7.4%上昇
名古屋圏:平成19年分より10.9%上昇

大都市圏の土地の価格は、ミニバブルで高騰した以上に下落したようです。
個人的には、いつまでも土地の価格が下がり続けることはないと思いますが、残念ながら、いつ下げ止まるのかについては予測することができません。
他力本願ではありますが、政府の住宅贈与減税の効果が表れることに期待したいです。


信和綜合会計事務所(大阪市中央区の税理士法人)
http://www.shinwa-ac.net/
税理士をお探しの方がいらっしゃいましたら、信和綜合会計事務所に是非ご紹介ください。

概算取得費

先日、お客様の社員の方から質問を受けました。
「父から相続した土地を売ろうと思うのですが、税金はどうなるのですか?」

個人が所有する土地や建物を売却した場合には、他の所得とは区分して、譲渡所得として所得税・住民税が課税されることになります。
譲渡所得の金額は売却収入から取得費と譲渡費用を差し引いて計算され、売却した年の1月1日時点で所有期間5年を超えていれば、15%の所得税と5%の住民税が課税されます。

ここで問題となるのが、「取得費」です。
取得費とは不動産の購入代金や購入手数料などの合計額ですが、相続により取得した場合の取得費は以下のうちどれでしょうか?
①父が取得したときの購入代金・購入手数料
②相続時の時価
③相続時の相続税評価額
④相続時の固定資産税評価額
⑤売却時の固定資産税評価額

答えは、①です。
さらに、その不動産が祖父からの相続により父が取得したものであれば、取得費は祖父が取得したときの購入代金・購入手数料ということになります。
そうなると、かなり昔の売買となりますので、いくらで購入したかが全くわからないケースも多いかと思います。
また、先祖伝来の土地などを売却した場合も同様の問題が発生します。

このような場合、譲渡所得は「概算取得費」により計算することになります。
概算取得費=売却収入×5%
なお、実際の取得費が売却収入の5%を下回る場合にも、概算取得費により譲渡所得を計算してもよいことになっています。

ただし、取得費が5%というのは納税者にとって決して有利なものではありません。
わからないと諦める前に、徹底的に資料を探すべきかと思います。
・権利証書類一式から購入代金が把握できないか?
・不動産の登記簿謄本に住宅借入の抵当権の登記がないか?
・預金通帳等に出金の記録が残っていないか?
・手帳や金庫内のメモに記録はないか?


信和綜合会計事務所(大阪の税理士法人)
http://www.shinwa-ac.net/
税理士をお探しの方がいらっしゃいましたら、信和綜合会計事務所に是非ご紹介ください。