10月
13.デビット 「10月20日に、6月売上分の手形が決済されて、お金が入ってきました」
11月
14.デビット 「ピクトリア社長、大変です!11月20日期日の丙社の手形が不渡りとなったようです!」
ピクトリア社長 「不渡り?何よそれ?とにかく、あなたの友達の弁護士に連絡しなさい!」
15.トール弁護士 「連絡を受けて調べましたが、丙社は11月21日に自己破産(注3)を申し立てたようです」
ピクトリア社長 「何ですって〜!?デビット!すぐに丙社との取引を止めなさい!」
デビット 「申し訳ありません。11月分は既に納品済みです」
トール弁護士 「破産申立の代理人弁護士に確認しましたが、丙社は街金(注4)からもお金を借りていた
ようで、債権の回収は無理ですね」
ピクトリア社長 「あなたそれでも弁護士なの!何とかしなさいよ!!」
トール弁護士 「そう言われましても、無理なものは無理です」
デビット 「ハラ先生にも連絡しましょう!」
16.ハラ税理士 「デビットさんから連絡を受けました。ピクトリア社長、そもそも債権管理は、取引開始時とそ
の後の状況の把握が大切なのです。倒産という事故が発生してから慌てても遅いのです」
ピクトリア社長 「はぁ・・・」
12月
17.ハラ税理士 「今期は、貸倒損失(かしだおれそんしつ・注5)を計上しなければなりません。
今後はこのようなことがないように、与信管理を徹底していかないといけませんね」
ピクトリア社長 「与信・・・管理・・・?」
ハラ税理士 「商品を販売する場合、相手を信用して、代金回収を一定の時期まで猶予することがあ
ります。商売では、このように相手を信用すること、つまり、信用を与えることを与信とい
います。与信管理というのは、相手先の状況を把握して、その条件で取引を行ってもよ
いのか、どのくらいの規模まで取引してもよいのか、などを考える方法のことです。
相手先の発するシグナルを見逃さず、効果的な情報収集・分析をすれば、貸倒のリスク
を減少させることができると思います」
ピクトリア社長 「相手先の状況も把握せずに、売上ほしさに簡単に契約するのは、かなり危険だってこ
とね・・・反省します・・・」
「ハラ先生!
今後は社内で与信管理ができるようにスパイスの利いたアドバイスをお願いします!!」
ハラ税理士 「わかりました」
●商品A販売個数
140個(乙社40個×3ヶ月+丙社10個×2ヶ月)
●売れ残り 60個(前月残高50個+仕入50個×3ヶ月−販売個数140個)
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資 産 |
現金及び預金 |
2,100 |
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売掛金 |
4,800 |
商品 |
6,000 |
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純資産 |
資本金 |
10,000 |
利益剰余金 |
▲
2,100 |
(内 当期純利益 |
▲
4,760) |
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費 用 |
売上原価 |
14,000 |
人件費 |
1,500 |
貸倒損失 |
5,500 |
地代家賃 |
300 |
支払利息 |
60 |
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売 上 高 |
= |
(乙社分商品A販売120個×売価@120)+(丙社分商品A販売20個×売価@110) |
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売 上 原 価 |
= |
商品A販売140個×原価@100 |
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貸 倒 損 失 |
= |
丙社に対する売掛金の貸倒額(1,100円)+丙社に対する手形の貸倒額(4,400円) |
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当 期 純 利 益 |
= |
収益(16,600円)-費用(21,360円) |
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利 益 剰 余 金 |
= |
前月残高(2,660円)+当期純利益(△4,760円) |
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受 取 手 形 |
= |
前月残高(3,300円)+丙社手形回収10.11月(2,200円)−丙社手形の取立入金(1,100円)−丙社に対する手形の貸倒額(4,400円) |
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売 掛 金 |
= |
前月残高(5,900円)+売上高(16,600円)−乙社振込入金(14,400円)−丙社手形回収10.11月(2,200円)
−丙社に対する売掛金の貸倒額(1,100円) |
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商 品 |
= |
売れ残り60個×原価@100 |
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短 期 借 入 金 |
= |
前月残高(3,000円)−借入金返済10〜12月(3,000円) |
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現金及び預金 |
= |
前月残高(6,460円)+売掛金の振込入金10〜12月(14,400円)+丙社手形の取立入金10月(1,100円)−買掛金の支払10〜12月(15,000円)−人件費(1,500円)−地代家賃(300円)−借入金返済10〜12月(3,000円)−支払利息(60円)
赤字部分が資金収支 |
(注3)破産手続を債務者(借主)自らが申し立てること。
(注4)小規模な高利貸金業者。
(注5)債権の回収が不能となったことによる損失額。 |
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