V 目から鱗の決算書(チェックポイント編)
4.損益分岐点分析
@損益分岐点
サモハン店長は、出店前にハラ税理士に相談しています。
そのとき、ハラ税理士は「月間固定費が30万円なので・・・」 とアドバイスしています。
これをわかりやすく図解しますと、以下のようになります。
図中の青色の線は売上高を表しています。
また、ピンク色の線は費用を表しており、固定費(地代家賃+固定給)と変動費(歩合給)
の合計となっています。
売上高が費用を上回る場合には、利益が発生し、逆に、売上高が費用を下回る場合には、
損失が発生しています。
図中では、青色の線(売上高)とピンク色の線(費用)が交わっています。
この状態では、売上高と費用が等しく、利益も損失も発生しません。
この状態を超えると利益が発生し、下回ると損失が発生することから、この点のことを
『損益分岐点』 と呼びます。
設例の場合、損益分岐点売上高は60万円となっています。
A損益分岐点の求め方
どんな事業の場合でも、費用を変動費と固定費に区分することができれば、損益分岐点を
求めることができます。
簡単な算式で考えましょう。
利益とは、売上高から費用を控除したものです。
売上高 − 費用 = 利益
費用は、変動費と固定費に区分されます。
売上高 − (変動費 + 固定費) = 利益
変動費は、売上高に一定比率(変動費率)を乗じたものです。
売上高 − (売上高 × 変動費率) − 固定費 = 利益
式を集約すると・・・
売上高 × (1 − 変動費率) = 固定費 + 利益
損益分岐点売上高とは、利益がゼロとなる売上高です。
損益分岐点売上高 × (1 − 変動費率) = 固定費 + 0
求める損益分岐点売上高は?
損益分岐点売上高 = 固定費 ÷ (1 − 変動費率)
設例の場合、固定費は、地代家賃15万円と固定給15万円ですので、合計30万円となります。
変動費については、歩合給は売上高の50%ですので、変動費率は0.5となります。
これらを上記算式にあてはめると・・・
損益分岐点売上高 = 30万円 ÷ ( 1 − 0.5 ) = 60万円
となり、正しく算定されることが確認できます。
目から鱗シリーズのトップへ戻る | 前ページへ |