V 目から鱗の決算書(チェックポイント編)
3.固定費と変動費
@固定費
売上高の増減と関係なく金額が変動しない費用。
A変動費
売上高に比例して金額が増減する費用。
設例の事業の場合、固定費には、家賃とジャッギーに対する給料の中の、固定給部分が
該当します。
また、変動費には、ジャッギーに対する給料の中の歩合給部分が該当します。
Bジャッギーの給料
ここで4月から雇用したジャッギーの売上と給料の関係を見てみましょう。
以下が全額を固定給にした場合と、一部のみを固定給にした場合で比較した図です。
それでは、固定給と歩合給では、どちらが望ましいでしょうか?
Bの図中の「利益(損失)」は、ジャッギーを雇用することによる利益(損失)を意味します。
つまり、ジャッギーの事業に対する貢献を示します。
この利益(損失)に着目してみましょう。
ジャッギーの売上が10万円のとき
全額固定給の場合は、20万円の損失が発生することになりますが、
一部固定給で歩合給を採用した場合は、10万円の損失で済むことになります。
ジャッギーの売上が50万円のとき
全額固定給の場合は、20万円の利益が発生するのに対し、
一部固定給で歩合給を採用した場合は、10万円の利益しか発生しないことになるのです。
つまり、計算上は、どちらが有利とは言い切れないのです。
ただし、状況によって話は変わります。
集客が順調で、従業員のモラル・やる気が高い場合などは、固定給としても良いかもしれません。
これとは逆に、集客に苦戦していたり、売上が従業員のやる気に影響されやすい事業の場合など
は、歩合給の採用を検討しても良いでしょう。
経営者としては、事業をとりまく状況をタイムリーに把握し、適切に固定費・変動費のバランスを
とることが必要です。
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