利益連動給与なんて… |
2006/08/28(Mon)
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利益連動給与につきましては、結論から言いますと、一般の中小企業は使えません。 なぜなら、同族会社が除外されている上に、算定方法を有価証券報告書に記載しなければならないため、実質的に上場会社などに限定されているからです。 残念ながら、事前確定届出給与も含めて、臨時的な役員給与で利益の圧縮を図り、「節税」をすることはできないということになります。 しかし、法人税法上、損金の額に算入されないからといって、臨時的な役員給与(役員賞与)を支給できないわけではありません。 ただ、法人所得の計算上、役員賞与は損金不算入ですから、法人税が課税された上に、個人給与所得として所得税までも課税されることになり、実務上避けられることが多いのです。 旧商法では役員賞与は利益処分項目とされており、それを論拠に税法は損金不算入としてきたのですが、新会社法では役員賞与も職務の対価と考えるようになっています。 また、欧米主要国でも、役員賞与は職務の対価と考え、全額損金算入が基本です。 個人的には、給与所得として個人所得税が課税されている以上、法人税まで課税するのは二重課税となりますので、理不尽な税法だと思っています。 |
事前確定届出給与 |
2006/08/21(Mon)
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執務する役員に対する給与は、損金算入するためには、基本的に毎月同額であることが原則です。 しかし、中小企業の場合、唯一の例外として、「事前確定届出給与」の制度が認められています。 この制度は、所定の時期に所定の金額を役員に支給することを株主総会などで定めた上で、事前に税務署長に届け出ることを条件に、損金算入が認められるというものであり、「定期同額給与」の例外規定となっています。 具体的には、毎月の定期同額給与に加えて、盆・暮その他任意の時期に一定額を支給する場合などが該当します。 ただし、届出額と異なる支給をしたときには(多い場合だけでなく少ない場合も含む)、支給額の全額が損金不算入とされますので、節税を目的とした支給額の調整は不可能となっています。 個人的には、この制度は「使い物にならない」と考えています。 しかし、非常勤の顧問や相談役などに、年一度または半年に一度給与を支給している場合などは、毎年届出が必要となりますので、忘れないように留意することが必要です。 なお、届出期限については6/28のコラムをご参照下さい また、届出書の様式については以下のサイトをご参照下さい。 http://www.nta.go.jp/category/yousiki/houjin/annai/5104.htm |
定期同額給与 |
2006/08/14(Mon)
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平成18年の税制改正により、役員給与による利益調整は、ほぼ不可能になりました。 その基本的な制度が、「定期同額給与」の制度です。 役員給与は毎月同額でなければならないという制度です。 従来も、基本的に役員給与は毎月同額でなければならなかったのですが、給与の改定時期についての規定が明確ではなく、利益調整に利用されるケースがありました。 今回の改正では、役員給与の改定時期は、期首より3ヶ月以内と明記されましたので、法人の業績が良好で利益が増加する見込みのため、役員給与を増額することにより利益を圧縮し、法人税額の負担を減らすことはできなくなったのです。 具体的には、3月決算で6月株主総会の場合は、遅くても7月の役員給与から変更することになります。 なお、定時株主総会で期首にさかのぼって役員給与を改定し、増加差額を一括支給することは、現在の法人税基本通達では認められていますが、「定期同額給与」の制度と整合しないため、廃止される見込みです。 |
役員給与の改正概要 |
2006/08/07(Mon)
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8月からは、大きな税制改正のあった役員給与について説明します。 個別の論点は次回以降に譲ることにし、今回は改正のポイントのみ列挙します。 なお、以下の改正は平成18年4月1日以後に開始する事業年度からの適用となります。 1.役員給与の概念 従来の役員報酬、役員賞与、役員退職給与等という区分がなくなり、「役員給与」という概念で統合されました。 2.損金算入される役員給与 下記の役員給与以外は、損金不算入となります。 @定期同額給与 A事前確定届出給与 B利益連動給与(実質的に有価証券報告書提出会社に限定) C使用人兼務役員の使用人分賞与 3.実質的「一人会社」に対する増税 特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入制度が新設されました。 一言で言いますと、オーナーの給与所得控除額が損金算入されなくなるということです。 この制度に関しては、私自身、憤りを感じております。 場合によっては、赤字決算でも法人税額が発生することになり、著しく中小企業の競争力を低下させることになります。 国の税収不足も理解できますが、比較的小規模のオーナー企業に絞って増税すべきではなく、給与所得控除そのものを一定割合削減するなど、広く浅く税収を確保すべきです。 おそらく政府は、今後の国政選挙をにらみ、国民の大多数を占める給与所得者を敵に回したくないのでしょう。 ただ、この制度にはいくつかの除外規定があり、次回以降で詳細に説明いたします。 |