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士業の研修制度
2013/08/26(Mon)
士業には、継続的に研修を受けることを求める「研修制度」が規定されています。

例えば公認会計士協会は、3年間で120単位(時間)の研修を受けることを義務付けており、義務を満たしていない公認会計士には懲戒処分がなされることになっています。
これに対し、税理士会でも年間36単位(時間)の研修を受けることを義務付けていますが、罰則規定はなく、相当な割合の未達成者がいるようです。

このような制度は、社会的信頼性の確保の観点から一定水準の能力を担保するために設けられたものですが、その目的を達成させるには不十分と考えます。
その理由は以下のとおりです。
・研修の内容やレベルにバラつきがある。
・聞いているだけなので研修内容についての習得度合が不明である。
・罰則規定がなければ実質的に「義務」ではない。

私はこのような形式的な「研修制度」については賛成していません。
しかし、法律や会則に記載された義務である以上、公認会計士・税理士それぞれの単位について毎年達成するよう努力しています。

やはり、士業としての一定水準の能力を確保するためには、定期的に何らかの「試験」をすることが一番ではないかと思います。
税理士業界は試験を受けたことがない人や試験が嫌いな人が多いので、絶対に制度化されることはないと思いますが・・・。


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半沢直樹
2013/08/19(Mon)
昨日はドラマ「半沢直樹」が放送されませんでした。
世界陸上の最終日だったため以前より放送休止が決まっていたようですが、楽しみにしていただけに残念です。

今までにも銀行を舞台にしたドラマはいくつかありましたが、今回のドラマの視聴率は絶好調のようです。
私も初回以外はすべて見ていますが、ドラマとしては最高の出来ではないかと思います。

ただ、実務家としては突っ込みどころが満載です。
特に気になる2点を挙げます。
・「出向」は必ずしも左遷ではない。
ドラマの中で、出向が完全にマイナスイメージの左遷として表現されていますが、そうでない出向もあります。
特に、若手に専門能力を身につけさせるために、外部の会社等に数年間出向させることはあるようです。

・融資金の回収不能は融資課長だけの責任とはならない。
融資判断は稟議決裁で行われており、融資課長の決裁で行われるものではないからです。
一定規模以上の企業で多く採用されている稟議制度は、会議の時間を省きつつ、多くの人が閲覧することにより、不正や誤った判断を防ぐことを目的とした社内決裁システムです。
しかし、弊害もあります。
稟議書にはその性質上、多くの閲覧者の押印があります。
それが責任の所在を曖昧にしているのです。

先日、上場会社の創業者の方とお話をする機会がありました。
その方が以下のように嘆いておられました。
起案者:「A課長に稟議書を提出しました。」
A課長:「B部長に報告をしました。」
B部長:「C取締役に判断を仰ぎました。」
C取締役:「D社長了承済みです。」
D社長:「取締役会で議論したことは覚えている。」

「○○の責任はいったい誰がとるんだ?」
「いつからこんな組織になってしまったんだ?」と。

ところで、回想シーンで主人公の父親役の鶴瓶師匠がいいことを言っていました。
「人と人との繋がりだけは大切にせなあかん。」
「ロボットみたいな仕事だけはしたらあかんぞ。」

肝に銘じます。


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基礎控除の縮小
2013/08/12(Mon)
お陰様で最近は常時数件の相続税案件に関わっています。
先日も納税者の方にご押印いただき、明日相続税の申告書を提出する予定ですが、最近思うことがあります。

不謹慎ではありますが、あえて書くことにします。
「もし平成27年以降に亡くなられていた場合は、どのくらい税額が増えたのだろうか?」

御承知のとおり、平成25年度の税制改正において、平成27年1月1日以後の相続開始(死去)分より相続税の基礎控除額が現行の6割に縮小されています。
<相続税の基礎控除額>
現行:5000万円+1000万円×法定相続人の数
改正後:3000万円+600万円×法定相続人の数

簡単な例を挙げます
甲の配偶者は既に他界され、子供が2人(乙・丙)の場合を考えます。
現行の基礎控除額:5000万円+1000万円×2人=7000万円
改正後の基礎控除額:3000万円+600万円×2人=4200万円

仮に甲の遺産が7000万円だった場合の相続税額は以下のとおりとなります。
現行の相続税額:遺産が基礎控除額7000万円以内のため0円
改正後の相続税額:乙・丙あわせて320万円

配偶者が健在の場合は、一定の遺産額まで配偶者の税額軽減が適用されますので、これほどの差は発生しないことが多いと思いますが、設例のように配偶者がすでに他界されている場合は、亡くなられる時期により大きな影響が発生することになります。

信和綜合会計事務所では、相続税の申告だけでなく、相続発生前の事前対策にも力を入れています。
将来の相続が心配な方は是非ご相談ください。


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ゴースト
2013/08/05(Mon)
先日、出版社G社が営業のため訪問したいと電話してきたので会うことにしました。

訪問日当日、予定時刻の11:00を過ぎても担当者は現れません。
11:30を過ぎて、先方にこちらから電話をしました。

原「訪問時刻は11:00だったはずでしたが?」
G社「いえ、13:00に伺う予定ですが。」
原「それなら30分くらいしか時間がありませんがよろしいですか?」
G社「はい、それで充分です。」
原「それでは13:00にお待ちしています。」

弊事務所のスタッフが午後から先約がある旨をはっきり伝えたはずなのに、なぜ13:00からとスケジュールするのかとは思いましたが、気持ちを落ち着けて待つことにしました。
おそらく面談のアポイントを取ることだけに夢中になり、人の話を聞かない人なのでしょう。

13:00前にG社の担当者は現れました。
よくある世間話もなく、出版の話が始まります。

G社「うちではゴーストライターが執筆を担当します。」
原「作者が執筆しないのですか?」
G社「はい、一回2時間の取材を10回ほどさせていただきます。」
原「へぇ〜。」
G社「どうかされましたか?」
原「私はそんなインチキは嫌いです。」

その直後、G社の方には丁重にお帰りいただきました。

世の中の出版物にもG社と同じようにゴーストライターが書いているケースはあると思いますが、「ゴーストライターが執筆を担当します。」と宣言するのはどうかと思います。
「時間をかけずにゴーストライターに執筆させて本業のマーケティングをしませんか?」というパッケージ商品を売るというビジネスモデルなので、仕方がないのかもしれません。

しかし、少なくとも私はゴーストライターを利用することはありませんし、そういう目で見られる出版社から本を出すこともありません。


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