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家賃の経過措置
2014/02/24(Mon)
先日、お客様から質問がありました。
M様:「家賃の消費税のことなんですが」
原:「どうされましたか?」
M様:「昨年の9月頃に、経過措置の適用のための対策をしましたよね」
原:「そうでしたね」
M様:「それがT協会の研修会で、契約に解約の申し入れができる旨の定めがあると、経過措置の適用がないと聞いたのですが?」
原:「それは正しくありません。・・・続く」

以前に、家賃の消費税の経過措置について採り上げたことがありました。
http://www.shinwa-ac.net/cgi/blog/archives/399.html
この辺りは誤解の多い部分ですので、再度採り上げたいと思います。

<原則>
平成26年4月分より、住宅以外の家賃については8%の消費税率が適用されます。
家賃は契約で前払となっている場合が多く、平成26年4月分の家賃を平成26年3月に支払うことになっているときは、平成26年3月支払分より8%の消費税率が適用されます。
住宅家賃については従来通り、非課税ですので消費税は課されません。

<経過措置>
平成25年9月30日までに賃貸借契約を締結し、平成26年3月31日以前より継続して平成26年4月1日以降も賃貸借を行っている場合で、契約の内容が次の「@及びA」または「@及びB」の要件を満たしているときは、その契約期間に限り、旧税率5%が適用されます。
(ただし、契約対価の変更がなされた場合は、それ以後の期間については旧税率5%の適用はできません。)
@当該契約に係る資産の貸付期間及びその期間中の対価の額が定められていること。
A事業者が事情の変更その他の理由により当該対価の額の変更を求めることができる旨の定めがないこと。
B契約期間中に当事者の一方又は双方がいつでも解約の申入れをすることができる旨の定めがないこと並びに当該貸付けに係る資産の取得に要した費用の額及び付随費用の額(利子又は

保険料の額を含む。)の合計額のうちに当該契約期間中に支払われる当該資産の貸付けの対価の額の合計額の占める割合が100分の90以上であるように当該契約において定められていること。

要するに、経過措置が適用されるのは、
「@及びA」を満たす場合か、
「@及びB」を満たす場合ということになります。

今回の誤解の原因となったBの要件は、俗に
「解約不能」と「フルペイアウト」といわれる要件です。
契約期間は解約できず、その期間中に支払う賃料の総額がその物件の購入金額の90%を超える契約でないと要件を満たさないことになりますので、通常の不動産賃貸借契約は該当しません。

従って、通常の不動産賃貸借契約の場合は、「@及びA」を満たすかどうかを検討すればよいことになります。
ただし、一般的な不動産賃貸契約書には、「賃料が物価の変動、公租公課の増減、近隣物件の賃料の変動、その他経済情勢の変動によって著しく不相応となったときには、協議の上、賃料を改定することができる」という内容の記載があることが多く、契約書にそのような記載がある場合には、Aの要件を満たさないことになります。

消費税の経過措置適用を受ける不動産賃貸借契約は意外に少ないのではないかと思います。

税理士法人信和綜合会計事務所(大阪市中央区)
http://www.shinwa-ac.net/


マイホームの共有持分
2014/02/17(Mon)
消費税の税率が上がる前にマイホームを購入された方は多いようです。
戸建住宅やマンション等の開発会社も、このタイミングに合わせて建物を竣工させているケースも多いです。
(経過措置により、一定の場合は4月以降の引き渡しでも、旧税率5%が適用されます。)

ところで、マイホームを夫妻で共有名義にすることがあります。
例えば、3000万円のマンションを夫1/2、妻1/2というように、合わせて「1」となるように共有名義にした場合を考えます。
このとき、実際の資金の負担が以下の場合にはどのような問題が生じるのでしょうか?
夫:頭金200万円、住宅ローン1800万円
妻:頭金100万円、住宅ローン900万円

結論から言いますと、夫から妻に500万円の贈与があったものとして、基礎控除額の110万円を控除した390万円に贈与税が課されます。
贈与税額は485,000円です。

妻はマンション3000万円の1/2の所有権(価値1500万円相当)を有することになったにもかかわらず、1000万円しか負担していません。
これに対して、夫は1500万円相当のマンションの1/2の所有権を有することになったのですが、2000万円も負担しています。
つまり、妻は500万円得をして、夫は500万円損をしたことになりますので、贈与税の課税関係では、夫から妻に500万円の贈与があったと考えるのです。

新居の購入は人生の中でも大きなイベントの一つです。
想定外の税金を後から指摘されるのは悲しいことです。
マイホームの共有持分の割合は、資金の負担割合に合わせて登記申請することが原則ですので、ご留意ください。


税理士法人信和綜合会計事務所(大阪市中央区)
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軍師官兵衛
2014/02/10(Mon)
大河ドラマ「軍師官兵衛」の視聴率が芳しくないようです。
理由はよく分りませんが、少し残念です。

私は兵庫県高砂市出身ですので、ドラマの中で身近な地名が出てくるとニヤッとしてしまいます。
姫路や龍野は有名な地名ですが、御着・志方・室津・広峰神社などは知らない方も多いのではないでしょうか?

私は子供の頃から大河ドラマを欠かさず見ていますが、そのおかげで歴史がとても好きになりました。
母によると、私がまだ小さいときに、折込広告の紙の裏にクレヨンでちょんまげ姿の勝海舟を書いたそうです。

ところで、私は今までに黒田官兵衛に関する歴史小説をいくつか読んだことがありますが、黒田官兵衛(孝高・如水)はとても魅力的で多くのエピソードが伝わっている人物ですので、大河ドラマの主人公にふさわしい人物だと思います。
今後の展開に注目していますが、幼少期から順にエピソードを追っていくという大河ドラマのスタイルはそろそろ限界なのかもしれません。


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所得税の特定支出控除
2014/02/03(Mon)
平成25年分の所得税の申告より、給与所得者の必要経費ともいうべき「特定支出控除」が拡充されています。

特定支出控除とは、以下の特定支出の合計額が給与所得控除額の2分の1を超える場合(給与収入1500万円超については125万円を超えた場合)、所得税の申告により、その超える金額を給与所得控除後の所得金額から差し引くことができるという制度です。
http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1415.htm

特定支出とは以下の通りですが、給与の支払者の証明書が必要となります。
(国税庁サイトより抜粋)
(1)通勤費
一般の通勤者として通常必要であると認められる通勤のための支出
(2)転居費
転勤に伴う転居のために通常必要であると認められる支出
(3)研修費
職務に直接必要な技術や知識を得ることを目的として研修を受けるための支出
(4)資格取得費
職務に直接必要な資格を取得するための支出
(5)帰宅旅費
単身赴任などの場合で、その者の勤務地又は居所と自宅の間の旅行のために通常必要な支出
(6)勤務必要経費(@ABの合計で65万円が限度)
@図書費
書籍、定期刊行物その他の図書で職務に関連するものを購入するための費用
A衣服費
制服、事務服、作業服その他の勤務場所において着用することが必要とされる衣服を購入するための費用
B交際費等
交際費、接待費その他の費用で、給与等の支払者の得意先、仕入先その他職務上関係のある者に対する接待、供応、贈答その他これらに類する行為のための支出

特に、(6)Aについては、節税などを特集した無責任な雑誌などで大きく採り上げられています。
その多くで「スーツ代も必要経費で落とせる」というような表現がなされています。

確かに、スーツ着用が義務または慣例となっているような会社の場合、スーツの領収証と会社の証明書があれば「特定支出」とすることはできると思いますが、「必要経費で落とせる」という表現は正しくないように思います。
そもそも、(6)勤務必要経費は65万円が上限となっているのに加えて、特定支出の合計額が給与所得控除額の2分の1を超えない場合は「特定支出控除」はないのです。

大騒ぎしているようですが、「特定支出控除」が適用できる人は意外に少ないのかもしれません。

税理士法人信和綜合会計事務所(大阪市中央区)
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