設立事業年度の役員給与 |
2007/03/26(Mon)
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平成18年度の税制改正において、役員給与の改定は事業年度開始日以後3ヶ月以内に行わなければならないこととなりました。 それでは、会社を設立した事業年度はどのように考えたらよいのでしょうか? 現在のところ、これに関して明確な取扱いは示されていません。 考え方としては、以下の二つがあると思います。 @設立から3ヶ月以内に役員給与の額を決定する。 設立事業年度においては、設立日が事業年度開始の日であることを根拠にした考え方です。 A役員給与が支給できるようになった時点で役員給与の額を決定する。 税法上分の規定が「改定」の時期についての定めであることから、最初に役員給与を決定することについては適用がないとの解釈に基づく考え方です。 いずれが正しいのか? 今のところ、結論は出ていません。 ただ、いずれの考え方にも問題点はあります。 @について 設立・開業から3ヶ月程度では、事業が軌道に乗っていないことも多く、役員給与を支給する財源となる資金がない場合がある。 Aについて 設立事業年度の損益を概括的に予測できる時まで、役員給与の支給開始を意図的に遅らせることにより、利益調整が可能になってしまう。 個人的には、役員給与に関する税制改正の趣旨から考えて@が妥当のような気がします。(あくまで私見です。) また、事業が軌道に乗った時点で決算期の変更による事業年度の短縮を行い、新事業年度から3ヶ月以内に役員給与の決定を行うことも無難かと思います。 |
ホームページ費用 |
2007/03/19(Mon)
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信和綜合会計事務所のホームページをリニューアルしています。 今のところ、更新の途中なのですが、新しいメニューなどを盛り込んで3月中の正式オープンを目指しています。 でも、なかなか思い通りにならないものです。 さて今回は、ホームページの作成・更新を外部に委託した場合の費用の取扱いについて説明します。 会社情報や商品情報などを紹介するホームページに関しては、通常1年以内の期間に更新されることが多いため、支出した事業年度の損金に算入されると考えてよいと思います。 逆に、あまり現実的ではありませんが、更新を1年以上予定していない場合は、その使用期間に応じて、期間配分することになります。 しかし、ホームページの中には、サイト上で買い物ができる仕組やデータベースにアクセスできる機能を有するものもあり、その作成・更新費用にはプログラム(ソフトウエア)の作成費用が含まれていると考えられます。 このような場合、ホームページの作成・更新費用のうち、ソフトウエアの作成にかかる部分は、無形固定資産として原則5年で償却することになります。 なお、ソフトウエア部分を区分できない場合は、費用全額を無形固定資産とせざるを得ないと思います。 |
振替納税 |
2007/03/12(Mon)
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個人所得税の確定申告書の提出期限(3/15)が迫っています。 弊事務所でも、例年よりは少し遅くなりましたが、本日完了しました。 皆様の中には、税金が還付される方と税金を納付される方がいらっしゃると思います。 還付に関しては、申告書を提出してから1ヶ月程度で、指定した口座に振り込まれます。 納付に関しては、原則として、3/15が納期限となっています。 しかし、「振替納税」という制度を利用すると、4月中旬(振替納付日)に納付することができます。 振替納税制度は、公共料金などと同じように、金融機関が指定の預貯金口座から自動的に振り替えて納税する制度です。 この制度を利用するためには、3/15までに「口座振替依頼書」に必要事項を記載の上、税務署又は金融機関に提出することが必要です。 「口座振替依頼書」は国税庁のホームページからダウンロードすることもできますが、税務署に備え付けてある葉書形式の用紙のほうが便利です。(税務署宛の場合、郵送料はかかりません。) なお、平成18年分の所得税の振替納付日は4/20となっています。 仮に、4/20時点で預貯金不足で税額の振替ができなかった場合には、延滞税(利息相当)がかかります。 この場合、延滞金の計算の起算日は振替納付日翌日の4/21ではなく、納期限翌日の3/16からとなりますので注意が必要です。 |
難しい監査業界 |
2007/03/05(Mon)
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金融庁は近いうちに、公認会計士法の改正案を国会に提出するそうです。 改正案の具体的な内容に関しては、以下のようなものですが、主に監査法人制度の規制を強化するものになっているようです。 @社員資格の非公認会計士への拡大 A情報開示 B課徴金制度の導入 C関与先グループへの就職制限の拡大 今回の改正は、頻発する監査不祥事を受けての対応と思われますが、私は余計に証券市場の混乱をもたらすのではないかと危惧しています。 規制強化がこのまま進めば、私のように監査は一切やらない公認会計士が増えると考えられます。 そうなると、監査リスクが高いと判断された会社は、誰も監査を引き受けないということも想定されるのです。 現に、中小の監査法人の中には、法定監査業務からの撤退を考えている法人もあるとのことです。 推測ですが、新日本・あずさ・トーマツ(3大監査法人)も、本音ベースでは、監査に固執していないのではないでしょうか? このような状況の下で、法改正により、本当に証券市場の安定化が図られるのかは大いに疑問です。 |