給与所得控除額 |
2006/09/25(Mon)
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「自営業の人はいいよな。経費が使えて。」 「僕らはサラリーマンだから、損だよな。」 よくある会話ですが、大きな勘違いをしています。 確かに、自営業者は、事業収入(または不動産収入)から必要経費を差し引いて、事業所得(または不動産所得)を計算します。 しかし、どんな支出でも収入から控除できるわけではなく、必要経費は、収入を得るために必要なものに限定されているのです。 また、サラリーマンの給与所得は、給料や賞与の年間合計そのものではなく、「給与所得控除額」が控除された金額になっています。 給与所得控除額は、サラリーマンの必要経費みたいなものであり、一定の算式で計算されます。 例えば 給与・賞与等の年額 給与所得控除額 200万円 78万円 400万円 134万円 600万円 174万円 800万円 200万円 となります。 実際に、これだけの金額を仕事のために使われる人は少ないんじゃないでしょうか?。 以前より、給与所得者は逆に優遇されているという指摘があり、給与所得控除額の引き下げの議論がありました。 今回の税制改正では、オーナー社長の給与所得控除のみが実質的に認められなくなったのですが、今後近い将来に、給与所得控除額自体の引き下げが行われると思われます。 恐らく消費税の税率の引き上げ後、暫らくしてからでしょう。 |
親族って何? |
2006/09/19(Tue)
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10月より、特殊支配同族会社(実質1人オーナー会社)に対する増税について、解説する予定ですが、今週と来週は関連する用語を採り上げたいと思います。 「親族」って何でしょうか? 親戚みたいなものといった漠然としたイメージはあると思いますが、純然たる法律用語です。 民法によりますと、親族とは、 @6親等内の血族 A配偶者 B3親等内の姻族 とされています。(725条) 血族は血のつながりのある人で、配偶者は婚姻関係にある夫又は妻ですが、姻族という言葉には、あまり馴染みがありません。 姻族とは、 B-A 血族の配偶者 B-B 配偶者の血族 のことをいいます。 ここで問題です。 問題1 嫁の妹の夫は親族ですか? 問題2 甥の嫁は親族ですか? 解答1 嫁の妹は配偶者の血族ですが、嫁の妹の夫は配偶者自体の血族ではありませんので、親族には該当しません。 解答2 甥は3親等の血族であり、その嫁は血族の配偶者に該当しますので、親族になります。 |
ファイリングの目的 |
2006/09/11(Mon)
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今回は、税制改正の話題はお休みにします。 皆様は、書類をファイルするのは何の為だとお考えでしょうか? ファイリングは、書類を紛失しないようにするためだけに行うものではありません。 むしろ、必要なときにすぐに取り出せるように書類を整理することが目的なのです。 私は、ファイリングこそ、事務処理の基本だと思っています。 私の経験的上、ファイリングが整然となされている事業者ほど、事務処理能力が高いことが多いです。 正しいファイリングができれば、会計を含めた事務処理の80%は終了しているのです。 そのためには、以下の2点が重要です。 @ファイリングのルール(担当、保管場所など)を決めること A後でファイルするのではなく、その都度ファイルすること あなたの机の上には、書類が山積みになっていませんか? |
決算期変更の利用可能性 |
2006/09/04(Mon)
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今年の税制改正により、定期同額給与の改定は、期首より3ヶ月以内と明記されました。 その結果として、「今年は利益がすでに相当出ているから、最後の数ヶ月間だけでも役員給与を増額して圧縮しよう。」といったことは、まず不可能となりました。 しかし、決算期末までの数ヶ月間に、大口の取引により大幅な利益が計上される見込みの場合などは、事業年度を短縮することにより、役員給与を改定することは選択可能だと思います。 (事業年度を短縮するためには、決算期の変更について臨時株主総会の決議が必要となります。) 具体的には、3月決算で、X2年2月に大幅な利益が計上される見込みである場合には、X1年内に臨時株主総会にて決算期を12月に変更し、事業年度をX1年12月で終了させるのです。 その後、大幅な利益が計上される見込みの新事業年度において、役員給与の改定を行うことにより、利益及び税額のバランスをある程度取ることができるのではないかと思います。 ただ、あまり頻繁に決算期変更を行うことには合理性がなく、脱税行為と認定されることも充分考えられますので、お勧めはできません。 |